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睡眠不足に潜む個人・経済的リスク−個人でできる睡眠対策−

目次

現代人は睡眠不足?

現代の日本は、実は良質な睡眠がとりにくい環境に囲まれています。スマホや携帯などからのぶるルーライト、深夜まで明るい照明環境が、睡眠に悪影響を及ぼしているのです。この文明の発達により、1960年から現在までの日本人の平均睡眠時間は1時間近く短くなったといわれています。

日本人は睡眠時間を世界で比較すると、OECD(経済協力開発機構:2014年)での睡眠調査(15歳ー64歳)では、最も長い睡眠時間は南アフリカの9時間22分で、日本人は7時間43分と、1時間30分以上も短いことがわかっており、日本が世界的に“睡眠不足の国”と言うことにが明確です。

原因としては、先ほど述べたように文明の発達が大きいこともありますが、もう一つの原因としては、日本人の睡眠に対する意識の低さも原因としては大きいところです。海外では子供から高齢者まで対象別に睡眠教育が行われていることも珍しくありませんがが、日本では幼稚園から大学までどの段階を見ても、「睡眠教育」が行われていません。つまり、日本は睡眠という分野において海外から大きく遅れをとっているというところが現実です。

日本人の睡眠時間はどれくらい?

先ほどのOECDの日本の睡眠時間は7時間43分でした。
では内訳はどうなのでしょうか?
20歳以上の日本人男女の睡眠時間を調査した「平成27年国民健康・栄養調査報告:厚生労働省」の結果では、30代では6時間以上7時間未満、40代では5時間以上6時間未満が40%近くと全体の半分弱を占めており、1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合が増加傾向にあり、日本の働き手となる年代の睡眠時間が大幅に少ないというとがわかります。
睡眠時間が少なく、しかも睡眠環境が悪いというころで、何かしら心身の不調に陥る「睡眠負債」を抱え込んでいると言うことになります。

睡眠負債とは、英語で「Sleep debt」言われ、”単なる睡眠不足というのではなく、返済すべき睡眠不足の累積”ということになります。睡眠不足はその日だけの問題ではなく、1日1時間程度の睡眠不足でも、1ヶ月続くとすると、一睡もせずに30時間起き続けているのと同じ状態で、解消しないかぎり毎日積み重ねられていってしまうというかなり危険な状態ということになります。

寝不足によるリスクと損失は?

寝不足であると自覚することと言えば「頭が働かない」ことと思います。

睡眠不足がもたらす脳への影響は、注意力の低下だけではなく、作業中の判断速度も落としてしまうと言うことも報告もあり、睡眠が不足している状態は私達が想像している以上に大きな危険を伴うことになります。睡眠不足によって不注意によるミスが起こる確率は、通常の3倍以上となり、さらに作業過程を複雑にすることでさらにミスの確率が上がるということでした。

睡眠不足の人は、何をするにも十分に注意を払う必要があり、注意力が低下しており、些細なミスを起こしてしまいやすくなっているということなので、寝不足であると言うこと自体が、危険であり、仕事や生活のあらゆる面に多大な損失をもたらすということにもなります。

日本人の睡眠不足による経済損失はなんと年間約15兆円で国民総生産の2.92%に相当します。勤務中の眠気で作業効率が4割低下、こにより作業効率の低下や欠勤などの損失、交通事故などの損失を合計すると、約3兆4690億円に達すると言われています。逆に睡眠障害の予防により、1兆6000億円の医療費が節約できるとも言われました。

睡眠不足は、単なる個人の問題ではなく、経済に多大な損失を与える大きな問題なのです。

睡眠不足による脳への影響

睡眠不足で起こる脳内の影響は・・・かなり大変なことであると捉えています。
睡眠不足が続くと、気力も体力も思考能力も著しく低下してしまうのは、先ほどの説明もある通り実感をするところでもあると思うのですが、さらに恐ろしいことが脳内で引き起こされているのです。
  それは「脳細胞の自己破壊」ということです。
以前に、「睡眠と記憶」のブログでお話ししたように、人は睡眠中に日中に行った動作に対して必要な神経ネットワークを残し、それ以外は取り除いてしまうと言うことで、動作の精度を上げることができています。その取り除くと言うのは、不必要な神経ネットワークを食べる細胞がいます。ミクログリアとアストロサイトと言う細胞が、脳内の環境を管理しています。
寝不足になると、これらの細胞が正常に働かなくなり、必要な神経ネットワークも壊してしまうのです。そして、この細胞の異常が、アルツハイマー病などの脳神経障害と関連していることが明らかになっており、寝不足による(アルツハイマー型)認知症のリスクの可能性がある事がわかっています。この他にも神経変性リスクが高くなる結果もわかっており、寝不足が様々な病気のリスクを高めていると言う事になります。

睡眠不足を解決するには! ー睡眠改善のための習慣ー

今まで話してきましたように、睡眠不足は単に眠いなと感じているだけではなく、個人のミスによる経済損失、認知症や神経変性による病気など様々なリスクを伴うということがわかりましした。

良質な睡眠をとることがポイントになります。睡眠で脳の疲労を回復させるということは、集中力、判断力、記憶力の他に、モチベーションや自己効力感も上がりますと言われています。自己効力感とは、課題など目の前にあるハードルを越えられると思える力で、自信みたいなものになります。モチベーションと自己効力感のバランスがとれていると、課題の達成率がUPするという調査結果も出ています。また、免疫力を維持できることにもつながり、風邪を引きづらくなるなどの健康効果もあります。

つまりは、睡眠不足の状態を変えていくことが、睡眠不足によって引き起こされるの様々なリスクを減らすことになります。

1:理想とする睡眠時間を意識する

睡眠も生活の一部であり、生きていくためになくてはならないものなのです。つまり『眠くなったら寝る』ということは、欲求なのでなくはないのですが、計画性のない睡眠は生活リズムを壊すだけで、決して良いものでありません。『生活リズムをつくる睡眠をとろう』と考えることが大事な思考であり、意識して行わないと、実行はできないくらい難しいことです。即ち、意識して計画的に行わないと、良質な睡眠をとることはできないということです。ただし、『眠らなくてはならない』と強く思いすぎると精神的に緊張を強めることになり、眠れなくなってしてしまうのは逆効果になりますので、リラックスして睡眠に望みましょう。

2:起床時刻を決め毎朝朝日を浴びる

学校や会社のあると、自然と起床時刻が決まっていますが、フリーランスなど自分でリズムをつくることができる方は、毎日起きる時刻が違うことが多いと思います。不規則な起床時間も、睡眠の質を下げる原因のひとつなのです。「サーカディアンリズム」と呼ばれる1日のリズムがあり、人間は「24.8時間周期」と言われています。つまり、人間のリズムは24時間より少し長いということなので、自分の好きなペースで生活をしていると、普通の生活リズムから崩れてしまいます。この周期をリセットするのが、太陽の光を浴びることです。つまり、起床時間を決めて、毎朝朝日を浴びるようにすれば体内のリズムが自然と整い、夜になると眠りやすくなるということです。

3:快適な睡眠環境を作る

寝る前の環境作りは最重要事項です。快適に就寝できるような室温や薄暗さを作りましょう。リラックスできる方法として、五感を利用して、香りに包まれることなど様々な工夫もありです。五感のなかで唯一就寝中に機能しているのは臭覚なので、香りの効果は大きいと考えています。あと、忘れてはいけないのは必ずお手洗いに行っておきましょう。トイレは睡眠を妨げてしまいますので・・・。

4:アルコール・カフェインの過剰摂取を避ける

アルコールを摂取すると、興奮作用、抑制作用が順番に起こり、抑制が起こったときに眠くなります。これを考えるとアルコールで眠れるのでは?と思いますが、アルコールを過剰に摂りすぎると、抑制(眠気)のあとに再び興奮(覚醒)が現れるので、睡眠中に目が覚めてしまうことがあります。アルコールによる睡眠は質の悪いものなので、心身の疲労回復にはお勧めできません。カフェインは、覚醒作用があるため摂りすぎると、眠りの質は確実に低下します。個人差はあるので一概に言えませんが、もし眠りが悪いなと思う方は、夕方以降はカフェインの摂取を避けてみてはいかがでしょう。

5:眠る前のパソコンやスマートフォンの使用を避ける

ご存知の方も多いかもしれませんが、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの画面からはブルーライトが放出されており、この光は昼間の光と同じくらいの効果があるので、眠気を誘う脳内ホルモン・メラトニンの分泌を妨げてしまい、眠気を感じなくなり、寝ても浅い眠りになります。

6:眠る前のパソコンやスマートフォンの使用を避ける

ご存知の方も多いかもしれませんが、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの画面からはブルーライトが放出されており、この光は昼間の光と同じくらいの効果があるので、眠気を誘う脳内ホルモン・メラトニンの分泌を妨げてしまい、眠気を感じなくなり、寝ても浅い眠りになります。

7:眠る直前の入浴・洗顔を避ける

良い睡眠を得るためにも、お風呂(特に湯船に浸かる)をお勧めです。これは、湯船に漬かると体の深部体温が上がり、この温度が下がってきたときに眠気を感じるということです。しかし、寝る直前に入浴は、体温が高い状態となるので、なかなか寝付く事ができません。また、冷たい水を顔や体に浴びると目が冴えるので、眠る直前には避けた方が良いでしょう。

まとめ

睡眠問題は今では世界中で取り組まれている問題になっています。しかし、日本は睡眠問題後進国であるとは言わざるえない状況であるのは事実です。働き方改革が進まれている中、働きての健康を守る時間の使い方として睡眠の必要性をもっと訴えるような教育してもよいのではないかと考えています。これは、働き手の話だけではなく、学生からこの教育が施されることで、先の社会がより良いものになるのではないかとも考えています。今回の記事では書きませんでしたが、十分な睡眠が取れないと、みなさんが想像する以上に身体的にも精神的にも健康への様々な悪影響を引き起こす可能性があります。睡眠を有効に考える社会の仕組みを変えていくためには時間も労力も必要です。しかし、社会が変わっても個人がそれを実行できる理解と行動も必要です。まず、自分の健康を守っていくためにも、個人でできる睡眠対策をはじめていくことからいかがでしょうか?

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