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ブログ  睡眠の生理 

睡眠の生理③ レム睡眠とは

 今回はレム睡眠についてお話しします。睡眠の話の中で良く聞く言葉の一つではないでしょうか? 今回は生理学的に話を進めていきますので内容は難しいかも知れませんが、なるべくわかりやすくできたらと思います。


人間の睡眠リズム

 睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2つがあります。レム睡眠は、爬虫類や両生類などの下等動物にもみられる発生学的に古い形式の睡眠で、筋肉が弛緩し、無動状態となり、エネルギー消費量は低下している状態です。ノンレム睡眠はより高等な生物に見られており、特に霊長類など大脳皮質が発達した動物では主要な睡眠となっています。
 レム睡眠ーノンレム睡眠とは、様々な生理現象も睡眠の深さも違うものになっています。レム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返して、目覚めるまでに5-6回現れ、徐々に浅い睡眠になっていきます。この睡眠の1セットの長さは大体90分位と言われています。


レム睡眠の特徴

 レム睡眠は「Rapid Eye Movement sleep(急速眼球運動睡眠)」の略で、眼球がよく動き、身体は深く眠っているのに脳が起きているような浅い眠りの状態です。人は夢を見ている時、感覚的な刺激を与えても目覚めにくい状態にあります。レム睡眠は全体の睡眠の約20%を占めており、昼間に多く学習や経験をした日には、レム睡眠が増加することから、記憶や情報を処理する重要な働きをしている事がわかりました。また、レム睡眠中、感情を司る部分の活動が低下しており、心の疲れを緩和させる効果があるということが最近の研究結果でわかってきています。基本的にはレム睡眠は身体を休め、ノンレム睡眠は脳を休めています。

 ① 急速眼球運動がある
 ② 脳波上は、寝入り始めと似たパターンを示す
 ③ 身体の姿勢を保つ筋肉(抗重力筋、姿勢筋)の緊張がほとんどなくなる
 ④ 感覚刺激を与えても目覚めにくい
 ⑤ レム睡眠には脈拍、呼吸、血圧など自律神経機能が不規則に変化
 ⑥ この睡眠時期の人を起こすと80%以上の人が夢を見ている


睡眠中の脳内活動

 脳波とは、脳が発生する微弱な電気活動を記録しているものです。周波数帯域ごとにδ(デルタ波:1〜3Hz)、θ(シータ波:4〜7Hz)、α(アルファ波:8〜13Hz)、β(ベータ波:14〜30Hz)に分けられています。睡眠でも覚醒でも複数の帯域の脳波が混在しており、覚醒度や睡眠深度に従って主体となる脳波帯域が変化しています。
 目を閉じてリラックスした時は、α波が主体となりますが、しっかり目覚めている時はβ波が増加します。また、緊張状態になるとα波がほとんど抑えられてβ波が主体になります。
 睡眠状態に入ると、α波は徐々に減少して波形も崩れてきます。代わりにθ波が主体となって、他にもいくつかの特徴的な波形の脳波が出現するようになります。睡眠がさらに深まるとδ波が目立つようになり、脳波パターンや筋活動によって睡眠の深さやレム睡眠が判定することができます。

 レム睡眠中にはθ波が確認されており、大脳皮質以外に、海馬と呼ばれる脳部位で観測されていることがわかりました。海馬は、記憶形成において重要な役割を担うとされています。海馬は、成人しても神経新生が活発に行われている場所で、記憶形成に関与することがわかっています。学習や記憶にレム睡眠が貢献していることが判明しています。


 レム睡眠は、ノンレム睡眠より浅い睡眠であり、まだまだ生理学的な点では実は判明されていない事が多い睡眠です。近年の研究で、学習や記憶形成に関係していることから考えると、睡眠の質を高めることの一つとして、入眠方法は重要である事がいえます。

 今回は難しい話でしたが、パフォーマンスを高める睡眠方法としては、睡眠の生理を知ることが重要なのです。この後も、論文を読み込み、常に最新の睡眠科学を利用した睡眠パフォーマンスを提案いたします。

参考文献:レム睡眠のメカニズムと生理的意義

超・快眠 ハイパフォーマンス・睡眠セミナー、ヘッドマッサージ
理学療法士さんの出張リハビリ(コンディショニング・リラクゼーション)

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