不眠ってなに?
不眠とは「睡眠状態が悪化し、日常生活、仕事や学業などに支障をきたしていること」という状態と考えています。
簡単にいうと、睡眠時間(3−4時間)が仕事や作業などで短かったとしても、ぐっすりと眠れていて、翌日に疲労感・倦怠感、眠気がない状態であれば「不眠症」ではないという事です。逆に睡眠時間が長時間(8時間以上だったとして)あったとしても、実は寝付くまでに長くかかっていたり、夜中に何度も目が覚めたり、心身を休めている時間は少なく、結果的に日常生活に悪影響があるという状態であれば、「不眠になっているのかも」考えても・・・。
眠りの状態をどのくらいとして自覚しているのかというと、厚生労働省が調査している「平成29年国民健康・栄養調査」から睡眠状態の調査からでは、
全体の2割程度の方が、睡眠が十分に取れていないという自覚症状があるようです。つまり、5人1人が睡眠が取れないことに悩んでいるということです。
逆に考えると、5人4人が「1度も不眠に悩んだことがない」ということになりますが、話を聞いていくと大なり小なり「寝付けない」とか「眠りが浅かったかな」ということや中には 「1日や2日ぐらい眠れないことがあって当然」という意見もあると思います。ですから「眠れない」といっても、自覚症状で考えるとばらつきもありますし、わかりにくいと思います。
では「睡眠時間が短ければ不眠症では?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、睡眠時間の短さは実はあまり重要視はされていないように思えます。統計学上で睡眠時間の「平均値」はありますが、これが「正常値」というわけではないからです。6時間で十分な人もいれば、9時間寝ないとすっきりしないという人もいます。ちなみに日本人の平均睡眠時間は7時間22分(経済協力開発機構(OECD)による平均睡眠時間の調査(Gender Data Portal 2019))と言われています。厚生労働省の調査でも、睡眠時間の平均が6時間以上7時間未満と6時間以上7時間未満が多いことが若かります。
不眠について、「本人が睡眠について悩み」「本来なら寝られる環境なのに寝られない」などのことから、倦怠感や集中力が低下するなど、実際に日中の生活に差し支えがあれば、睡眠の見直しを早急に行った方が良いと思います。
不眠症の種類
具体的には不眠症には以下のような種類が定義されています。
【不眠症の種類】
- 入眠障害:布団に入っても30分以上寝付けないことが週のうち半分以上
- 中途覚醒:いったん寝ついても夜中に2回以上目が覚めてしまう
- 早朝覚醒:起床時間より2時間以上早く目が覚めてしまう
- 熟眠障害:起きたときにぐっすり眠った感じがせず、眠気やだるさが残る
このような睡眠状態が続くと、日中に眠気や気怠さが強くなり、日常生活や仕事に支障をきたしやすくなるということになります。ではこれら不眠に原因になるものはなんなのでしょうか?
不眠となる原因とは?
1. ストレスやプレッシャー
悩みや不安など、精神的にストレスを抱えていることで、睡眠に支障をきたしやすくなります。このようなとき、脳のストレスとか変えることで交感神経が活発となってしまいます。交感神経は「闘争の神経」とも呼ばれており、活発化することで、身体は緊張した状態になります。この状態で寝付くことが難しくなったり、眠りについてもすぐに目覚めたりしてしまうことになってしまいます。
2. アルコールやカフェイン
これも体験のある方もいると思いますが、アルコールは寝つきを一時的には良くしてくれます。が、同時に睡眠の質を低下させるという効果もあります。血中のアルコール濃度が高い状態のまま入眠すると、睡眠がより浅くなり、翌朝起きても疲労感が残ったままになることが多いです。また、カフェインの摂取も睡眠の質に影響すると言われています。しかし、カフェインの覚醒作用の出方は人それぞれですので、眠気に全く関係のない人もいれば、床に就く6時間前のコーヒーで眠れなくなる人もいます。
3. 生活習慣・睡眠リズムの乱れ
不規則な生活で就寝時間もですが、特に起床時間が毎日バラバラだと、体はいつ眠ったらいいのか・いつ目覚めたらいいのか分からなくなってしまいます。こうなると、睡眠リズムが乱れ、寝つきや目覚めが悪くなるといった状況に陥りやすくなります。
また、スマートフォンが普及したことで、SNSやゲームのために夜遅くまでスマホをさわる時間が増え、睡眠時間が短くなる傾向にあります。さらにスマホの強い光によって交感神経が刺激されるため、寝付きが悪く眠りも浅くなってしまいます。
4. 睡眠環境
良い睡眠をとるためには、睡眠環境がポイントとなる事があります。部屋が明るい・騒音が激しい・暑い・寒いなどの理由で睡眠の質が低下してしまい、不眠の状態になることがあります。自分にとって眠りやすい“睡眠環境”を探すことをおすすめします。
5. 加齢
睡眠時間や睡眠のパターンは年齢によって変化していることがわかっています。高齢になると早寝・早起きになったり、睡眠時間が短くなったりするのは、加齢の一つであり、年齢に応じた睡眠の変化は、異常なことではないということです。
注意する点としては、睡眠時間が短くなった影響で、翌日に倦怠感や強い眠気がある場合は、不眠なのかな?と考えてもよいかもしれません。
不眠から離れるのは
不眠の状態を放っておくと、仕事のミスや重大な事故につながったりする可能性はなくはありません。脳が眠いのでミスは起こりやすくなるからです。「まだ、寝ていなくても大丈夫」というのが意外と不眠に陥りやすくなります。
不眠から脱出ポイントとしては、「睡眠の量・リズム・質」と考えています。
これについては、まだの機会に書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。