冬の快適睡眠のポイント
今シーズンも暖冬と言われながらもやはり冷え込みますよね?
日中のパフォーマンス向上や、疲労回復に欠かせない「睡眠」ですが、熱帯夜が続く夏は睡眠への関心が高まる季節で、みなさんも寝苦しさを経験していることからその興味があると思いますが、寒さが厳しい冬も睡眠の質が下がりやすい時期なのです。
冬の朝の目覚め・・・どうですか?
特に冷え込む冬の朝。気持ち良く目覚めることができていますか?
冷え込み部屋の中で、いつまでもぬくぬくした暖かい布団の中にいたくて、起き出したくないのが冬の朝の時間になりがちだと思います。
実は、夏の熱帯夜ほどではありませんが、冬は日中の活動量が減ること、気温の低さ、日照時間の短さの3つの要因によって、眠りの質が下がりやすくなります。一般的に冬の睡眠時間が長くなる傾向にありますが、おそらくは低下した睡眠の質を時間で補っていると考えても良いと思います。
このようなことから、寒さだけが原因ではなく、眠りの質を下げてしまう要因などから「冬の朝は目覚めにくい」ということが関係しています。
冬の朝は、特に目覚めが悪く、いつまでも寝ていたくなるのはなぜなのでしょうか?
冬の目覚めを悪くしている要因
①『活動量の減少』
眠りに就く前の3時間以内に過度な運動をすると睡眠の妨げになりますが、適度な運動による疲れが「眠り」には必要です。冬の寒さを理由に体をあまり動かさないということで、眠りの質が低下する可能性が高くなります。
どうしても、寒さにかまけて運動しないのは難しいところです。少しでも運動の機会を確保するのであれば、帰宅時にひと駅分歩く程度(場所によりますが)の軽い運動はいかがしょうか。
②『気温の低さ』
人間は脳と体の深部温度を下げることで、「睡眠」が行いやすい状況になり、心身の休息モードになります。この時、手や足から熱を外に出す“放熱”という現象が起こるのですが、「冷え」によって手足の温度が下がってしまうと血行が悪くなり、放熱がうまくいかなくなり、体の深部体温を下げることができず、寝つきの悪くなったり、眠りが浅くなってしまいます。
③『日照時間の短さ』
人間は、朝に光を浴びることで体内時計が整い、覚醒が促されるようになっています。しかし、日の出時間が遅くなり、朝が薄暗くなることが多い冬は、光を浴びる時間や頻度が減ってしまいます。これは、起きたときに光刺激が不足することで、睡眠の維持を助けるメラトニンの分泌が抑制されず、寝覚めが悪くなってしまうということになります。これにより、覚醒と睡眠のリズムにメリハリがつかなくなってしまうというわけです。
冬の睡眠を良いものに変えるには?
冬の眠りを妨害する3要素の中でも、もっとも睡眠に悪影響を及ぼすのは「気温の低さ」です。暖かくすれば良いのか?と単純な解決ではいかないのです。なぜなら、眠る直前に手足を温めることは手のひらや足裏からの放熱を助けますが、いざ眠りに就こうとするときに靴下で足を覆い、体温が下がりはじめる前に布団に入ると、熱がこもってしまい体の熱がうまく放散できなくなってしまうのです。これでは、温めることで返って眠りが悪くなってしまうということになります。
ぬるめの温度での入浴
体の芯から温めて足先からの放熱をスムーズにする方法で一番簡単なのは、寝る前にぬるめの温度のお風呂に入浴することです。入浴は、リラックスできるだけでなく、深部体温を一旦上げることで、その後下がりやすくなり、体の表面から熱を逃がして眠くなるきっかけをつくることになります。
また、お風呂に入った際に、好みの香りの入浴剤やアロマオイルを使うと、よりリラックスして自律神経も交感神経から副交感神経優位に切り替わり、より質の高い眠りを作る手助けになります。
敷布団や敷き寝具を暖かいものに変えてみよう
お風呂や足湯でせっかく体が温まっても、布団に入ったときにシーツなどがひんやり冷たいと、放熱が妨げられてしまいます。
そうならないためにも、暖かい風合いの寝具に衣替えをするのが良いです。どうしても、毛布や掛け布団を1枚2枚と重ねてしまう事がありますが、掛け布団を増やすよりも、敷き寝具を暖かくする方が保温効果が上がります。
暖かな素材のシーツなどに替えたり、綿毛布を一枚敷いてみてください。結構暖かくなります。羽毛布団を掛ける場合は、体の上に羽毛布団を掛けるようにする方が、羽毛の保温効果を発揮するので掛ける順番にも気にかけてみましょう。
良質な睡眠のために「湿度」に大事です
布団の中の保温ができても、眠りを妨げる要因があります。それは。部屋の湿度です。寝る時は暖房を16~19℃位の間に設定すると、もっとも睡眠感がよいと言われています。部屋の温度が13℃を下回ると寒さで目覚めてしまい、眠りの質も悪いものになってしまいます。冷え込みすぎには注意しましょう。
温度だけでなく湿度も、「質の良い睡眠」に影響するので、乾燥する冬には加湿器や濡れタオルを干すなどして、部屋の湿度は50%は保つようにするのが望ましいです。
夏の寝苦しさには工夫が必要でしたが、冬の睡眠にも実はちょっとした注意が必要になります。寝室の環境や寝具を冬の寒さ対策のものに変えるだけで、質の良い睡眠が得られる可能性と言うことになります。この冬、寝起き悪い、体調が今ひとつと言う場合には、寝室の環境や寝具を見直してみるにも一つの方法です。
睡眠は体調をコントロールする一つのバロメーターです。しかし、心身の健康を保つには必要ななのが睡眠であり、少しでも効果的な「質の高い睡眠」を手に入れていきましょう。