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寝過ぎると認知症になるのか?

 睡眠の役割には、日中の疲れを回復や脳の機能を維持するための重要な働きがあります。適切な睡眠の量や質が認知症予防に効果があることも判明してきました。


今回は、超高齢化社会である日本の介護問題で取り上げられる認知症と睡眠時間について書いていきたいと思います。


 睡眠障害のある認知症の方は、夜間に徘徊などさまざまな異常行動が増加する傾向があります。心身での介護負担を増大させているだけでなく、コスト面でも負担をかけてしまっているのが実情です。


 超高齢化社会にある日本は、すでに介護保険施設が飽和状態と言われており、今後は在宅介護がメインになってくると言われています。いかに認知症を避けて、家族が介護疲れにならない「持続可能な」在宅介護を可能にするための睡眠問題は相互に解決を図りたい早急な課題になっているといえます。


高齢者の睡眠の特徴


 人間は加齢とともに睡眠は浅くなり、途中で何度か目覚めたり、トイレ回数も増えたりと、変わってきます。そして、日中の眠気も強まり、昼間のうたた寝が増えてきます。

 認知症のある高齢者では、これらの加齢変化が目立ち、重度の不眠や強い眠気が生じて、昼と夜が入れ替わってしまう昼夜逆転現象などの不規則な睡眠パターンに陥りることが多いです。


認知症のある方の睡眠問題はどうなのだろうか


一つ分かっていることは、睡眠の量や質は認知症と深く関わっていることです。

 認知症の中で最も多い『アルツハイマー型認知症』の方の脳を調べると、「アミロイドβ(ベータ)」というタンパク質が沈着していて、この物質が脳内の神経細胞を破壊してしまい、(アルツハイマー型)認知症を発症していまうと考えられています。


 睡眠には、「アミロイドβ」のような有害な物質を除去して脳機能を保つ働きがあります。睡眠障害として、入眠困難や中途覚醒、早朝覚醒などがある場合、睡眠が安定している人に比べて、アミロイドβの蓄積が5.6倍になるということわかっています。また、24時間覚醒をし続けると、通常の睡眠をとった場合と比べてアミロイドβが増加したいう結果もあり、睡眠が取れないという事で認知症となるリスクが増えてしまうという事がわかります。


 若いうちから睡眠時間を十分に確保し、質のいい睡眠をとることは、認知症予防につながると言えるのです。


認知機能を保つために!


 日中の活動性の高い高齢者は、社会参加も活発で、頭をよく使い、運動量が多いことで、さまざまな感覚刺激を受けることが良いようです。また、食事を含む規則正しい生活スタイルを維持していることで、認知症の予防に有効な手立てになっています。

 日中の眠気を避けるための「昼寝」が良いという話もありますが、年齢とともに、日中の覚醒を維持する機能が落ちてきて、昼間にうとうとしている時間が長くなりがちです。
 この解消のために日中に寝てしまうと、返って脳の活動を停滞させ、夜の不眠や中途覚醒など、不眠の要素を作ってしまう事があります。これは、1時間以上の昼寝が認知症リスクを高めてしいます。午後の決まった時間に30分程度の昼寝では、認知症を予防できるという研究報告もあります。


 一部の高齢者に見られる睡眠問題は、認知症の初期やその予兆ではないかにもなりうると考えています。日中の活動が減る事で、睡眠の質が低下し、認知症の前駆症状となってしまうのか、それとも発症を促進するリスクなのかは、不明ですが、高齢者が元気に健康的に生活するためには、睡眠を含めた生活にヒントがあると思います。


いかがでしょうか?
「睡眠と認知症」は関係していると言っても良いのではないかと考えています。日常生活を含めた適切な睡眠習慣がその予防になります。ぜひ、健康のために睡眠習慣から運動や生活習慣を見直してみてはいかがでしょう。

参考文献:
 平成30年版高齢社会白書(概要版)(全体版)
 国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口(平成29年推計)結果表
 三島和夫.「高齢者と睡眠障害」.保険医療科学.2015Vol.64.No.1 p.27-32
 瀬尾昭彦ら.「睡眠時間が翌日終日の認知・運動機能に与える影響」.2008.ITヘルスケア.第3回2号.p96-105


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