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良い睡眠を探る ー睡眠脳波ー

 睡眠の状態を観察する上で、参考にするのが「脳波」です。脳波で私たちの睡眠状態の研究が進み、色々と睡眠の謎についてわかって来ています。では、脳波と一体何なのでしょうか?


 人間の脳は常に24時間365日、活動しているため複数の帯域の脳波が混在しています。そして状態に応じて、その主体となる脳波の帯域が変わってくることもわかってきました。


良い睡眠を考えると・・・


 気持ち良く眠れた日の朝は、自然に目が覚め、気持ちが良く、疲れが取れてさっぱりした感じがあると思いまう。睡眠を考える際には、「睡眠の量(時間)」「睡眠の質(ぐっすりと続けて眠れる程度)」「睡眠のタイミング(寝る時間・起きる時間)」」の三つの観点から睡眠をとらえることが必要と考えています。

 「睡眠の質」についてですが、睡眠は、最初のところで最も深く眠り、朝方になるほど浅くなっていきます。これは周期性のあるもので、深い眠りと浅い眠りを約90分のサイクルで人によりますが、一晩に4、5回繰り返しています。それぞれのサイクルの終わりには「レム睡眠」があります。レム睡眠時に、現実的な夢を見ることが多いと言われており、覚醒時と同じぐらい脳が活発に活動していることがわかっています。レム睡眠の持続時間は朝方ほど長くなるため、朝方に夢を見て目がさめたと自覚する人が多くなります。レム睡眠以外の睡眠は、ノンレム睡眠と呼ばれ、睡眠の「深い」「浅い」の区別がつけられています。

睡眠サイクルの4つのステージをおさらいです。


ステージ1(ノンレム睡眠:5-10分程度)
 身体がリラックスしはじめ、起きやすい状態。


ステージ2(ノンレム睡眠:10-25分程度)
 心拍数が下がり、軽めの眠りにつく。


ステージ3(ノンレム睡眠:20-40分程度)
 これが、最も重要かつ深い睡眠の段階で、心身修復の重要ポイントになりmす。翌日、十分に休めた気分になれるかどうかを左右します。また、外的刺激に対する反応が鈍り、起きづらい状況でもあります。年齢を重ねるとともに、この段階の時間が減少してきます。


ステージ4(レム睡眠)
 熟睡段階であるレム睡眠で、脳の活動は活発。この段階の脳の活動は、起床中の脳の働きとあまり違いがない状態で、寝言、悪夢、夢中歩行、そして鮮明な夢を経験するのもこの段階の睡眠になります。


 人間は、この睡眠周期を一晩で4~5サイクル繰り返していて、最初の睡眠サイクルではレム睡眠が比較的短く、ノンレム睡眠が長めになる傾向にあるが、夜が進むにつれてレム睡眠が長くなり、ノンレム睡眠が減少してきます。


 この睡眠を深度(深い・浅い)をみるために脳波を見ています。
 脳波は、頭皮上に電極を置いて大脳皮質の微弱な電位変動を記録(増幅器に波形を拡大)したものです。脳波は脳の機能状態で、特に大脳皮質の機能状態と密接に関係しており、意識水準とよく対応して変化しています。脳波は,脳の活動水準が高いほど周波数の高い波(速波化)が多く、活動が低下すると周波数の低い波(徐波化)が多くなります。


 ヒトの意識水準と脳波パターンを示したものであり、覚醒・思考、周囲に注意をはらっている状態は、β(ベータ)波と言って13~30Hzの振幅の小さな速い波がみられます。眼を閉じて安静にしていると、α(アルファ)波と言って、8~12Hzの振幅でβ波よりも大きめの波形です。不安や緊張している状態では、眼を閉じてもなかなか安静の状態になれません。このような状態では、α波がしばしば中断してβ波が現れています。逆に眠りを考えるには、リラクセーション状態が理想であり、その指標としてα波をみることになります。


 さらに安静がさらに深い状態となった睡眠に入ると、α波に代わって4~7Hzのθ波という新しい振幅の波でてくる。これは、うとうとした状態で、半醒半睡状態で、一般に入眠期と呼ばれる状態です。外見上は眠っているのとほとんど変わらないんですけど、半覚半眠なので、本人の自覚としては、目覚めていたと感じているものになります。そして、脳波の変化に加えて、この入眠期にはゆっくりとした眼球振子運動(slow eye movement:SEM)がみられます。


 さらに意識水準が低くなってくると、14Hz前後の速い波が群発します。この速い波は睡眠中に限って出現します。睡眠中にこの速い波が出現し始めると、ゆっくりとした眼球振子運動(SEM)は止まり、呼吸は規則正しい寝息になってきます。覚醒中、腹式呼吸が多い男性がこの睡眠時期になると、胸式呼吸に変わり、睡眠中は呼吸運動に性差はなくなってきます。この睡眠時期に起こすと、大部分の人が「眠っていた」と睡眠していた自覚があるようになります。
 この状態からもっと眠りが深くなると、脳波の周波数は3Hz以下に下がり、振幅は大きくなります。この遅く大きな波はδ(デルタ)波と呼ばれています。また2Hz以下の徐波が連続する睡眠状態となり、小さな声では呼びかけてもなかなか目覚めないもっとも深い眠りになります。


 ここまで脳波を難しく説明しましたが、単純にいうと、リラックスした閉眼安静時にはキレイな正弦波様のα波が主体であるが、しっかり目覚めている時はβ波が増加し、緊張状態になるとα波がほとんど抑えられてβ波が主体になります。

 睡眠状態に入ると、α波は徐々に減少して波形も崩れ、代わりにθ波が主体となって、他にもいくつかの特徴的な波形の脳波が出現するようになる。睡眠がさらに深まるとδ波が目立つようになってきます。但し、脳波睡眠の周波数や振幅の基準は睡眠の本質的な理解のもと科学的根拠に基づいて決めたわけなく、「眠っているように見える」時の脳波の共通する所見からみたものになります。

 睡眠中の脳波は、無意識、自我意識、半球睡眠(脳の半分だけ睡眠状態となる)、局所睡眠(大脳皮質の一部領域だけ睡眠状態に陥る、睡眠が深くなる)など複雑なものがあります。


まとめ


 今回、睡眠中の脳波について書きましたが、専門的な方から見たら物足りないものです、一般的な方から見たら難しいものになると思います。ただ、私たちが寝ている間に脳の活動は特異的なものになっており、その活動が「睡眠」という行為になっていることは間違いありません。
まだまだ「睡眠」は研究段階ですが、「MRI(高磁場磁気共鳴画像装置)」や「PET(陽電子放出断層撮影装置)」などの脳機能の解析が医学の進歩によって進んできています。
 今後、質の高い睡眠に機序が判明してくれば更に良い快眠の方法が見つかると思います。


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*参考
ヒト睡眠の基礎(堀 忠雄)(2.意識水準と脳波パターン)
脳波の手習いシリーズ(睡眠脳波について)

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