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概日リズム障害って知っていますか?

概日リズム障害による睡眠障害

 あまり聴き慣れない人もいるかもしれませんが「概日リズム障害」という症状があります。私たちの身体は、地球の自転に合わせて大凡24時間という時間を、体温などの自律神経系、内分泌ホルモン系、免疫・代謝系などと同様に、体内時計によって約24時間というリズムに調節しています。この1日の周期をもつリズムのことを概日リズムといいます。
 簡単にいうと、この概日リズムが異常な状態になることで、望ましい時間帯(通常は夜~朝)に睡眠がとれず、日常生活に影響を来してしまいます。



人間の体内時計周期は?


 人間の体内時計の周期は約25時間であることがわかっています。
 しかし、地球の1日の周期は24時間で、体内時計とは約1時間のずれが出てしまいます。日常生活において、様々な刺激を受けることで、体内時計が外界の周期に同調して約1時間のずれを修正されるように人間の体内で出来ているようになっています。その最たるものが刺激が光です。光以外にも、食事や運動、仕事や学校などの社会的な因子が体内時計を構成する刺激と考えられています。


 この体内時計の周期と地球の24時間の周期との間のずれを修正ができなくなってくることが続くと、本来望んでいる時間に寝て、起きる時間に目を覚ますことができなくなってしまうのです。逆に、無理に時刻に合わせて覚醒したとしても、眠気や頭痛・倦怠感・食欲不振などの身体的な不調が出てくることがあります。


 このように体内時計の周期が24時間周期に合わない状態になってしまうことで生じる睡眠障害を概日リズム睡眠障害と言われています。



どんな症状が出るのか?


 睡眠障害ではあるものの寝ることはできます。但し、必要なときに眠ることができないため、昼間に眠気が出てしまい、意識の集中、明瞭な思考、日常活動などが思うようにできず、パフォーマンスの悪いものになります。眠ろうとしたり、逆に起きていようとしたりして、睡眠がうまく取れないことで生活リズムが崩れてしまい、アルコール、睡眠薬、刺激物などを乱用する人も多いとのことです。

 また、日付変更線を越える旅行が多い人、仕事のシフトが頻繁に変更される人などの睡眠スケジュールが頻繁に変わってしまう場合も、概日リズム睡眠障害の症状が悪化してしまいます。就寝時刻は早くするより遅くする方が簡単であり、就寝・起床時刻が早くなった場合にも同様に症状が悪化することが多いと言われています。


 外的な原因による場合は、体温やホルモンの分泌など、概日体内リズムのタイミングが影響を受けていることが多いです。そのため、眠くなる以外にも、心身の不調や苛立ち、吐き気、抑うつなど心身の関連する不調がみられます。


概日リズム睡眠障害の種類


 概日リズム睡眠障害は、外的な要因である体内時計を短期間にずらさなければならない場合に起こる時差症候群(時差ぼけ)や交代勤務睡眠障害、体内時計が地球の周期に合わせることができない内因的な要因で起こる概日リズム睡眠障害(睡眠相後退症候群、睡眠相前進症候群、非24時間睡眠覚醒症候群、および不規則型睡眠覚醒パターン)などのいくつかの種類があります。

交代勤務による睡眠障害


 午前8時~午後6時の時間枠以外に交替勤務(特に夜勤)する人にみられます。
進んでくると、夜間不眠、日中の眠気、作業能率の低下、倦怠感、食欲不振などの身体・精神症状がでてきます。
 以下の要因が関係して重症度がわかってきます。

  • 交代勤務のシフトが変わる回数
  • シフトが変わる時間がどの程度ずれるか
  • シフトが変わる時の就寝や起床時刻は早くなるか遅くなるか
  • 夜間に連続で何日働かなければならないか  など

睡眠相後退型


 就寝時刻と起床時刻が常に遅くなる状態です。睡眠時間帯が、希望する睡眠時間帯よりも遅くなるために、不眠や過剰な眠気が生じしまっています。夕方~深夜にかけて著しく覚醒し、午前中に眠気や疲労感が強くなります。要するに夜型といわれるタイプが多いと思います。この症候群は青年や若い成人に多くみられます。このタイプですと、早く寝ようと思っても寝ることができません。

睡眠相前進型


 概日リズムの周期が前方にずれてしまい、入眠時刻と覚醒時刻が常に早くなっている状態です。夕方頃から眠くなって、翌日は早朝に目が覚め、眠ろうと思っても覚醒して眠れません。高齢者により多くみられます。この症候群の人は、遅くまで起きていようと思っても起きていることができません。

不規則睡眠-覚醒型

 概日リズムが定まっていない、あるいは極端に不規則になってしまう状態です。いつ眠って、いつ起床するかは予測不可能で、1日のうち3回以上に分けて眠りにつきます。量的には必要な睡眠時間がとれていても、夜は眠れず、日中は眠気が強くなり、居眠りをしまうようです。

非24時間睡眠-覚醒型


 概日リズムが24時間よりも長いか短いリズムになっている状態です。本来の人間の概日リズムは25~26時間と言われており、体内時計が光を浴びることによりリセットされ、地球の自転による1日24時間周期に合わせています。このタイプは、概日リズムがリセットされないため、ずれてしまうということです。但し、睡眠-覚醒サイクルとのずれが続くと、いずれ睡眠相と重なり解消していくものの、数日後には再びずれてしまいます。つまり、本人の睡眠-覚醒サイクルの長さは変わらないのですが、24時間周期に合わないということでずれてしまうよいうことです。この症候群ははるかに少なく、眼が見えない人で起こる傾向があるといわれています。

概日リズム睡眠障害の種類別、覚醒・睡眠時間の図

対策はあるのか?


 概日リズムが規則的にずれているタイプの場合、適切な睡眠習慣を身につけることができることで、睡眠を改善する行動修正が有効的です。
 基本的なパターンとして、適切な時間に眼に太陽の光を浴びることで、体内時計のリセットすることが良いと言われています。


・日付変更線を超える旅行をする場合
  →目的地に到着後、午前中に日光を浴びるようにします
・交代勤務の場合
  →起きていなければならない時間帯に明るい光を浴びる
   夜勤明けの場合は、就寝前に明るい光を浴びるのを避ける
   寝ているときは、寝室をできるだけ暗く静かにする
・睡眠相後退症候群の場合
  →明るい光を午前中に浴びる
・睡眠相前進症候群の場合
  →夕方に光を浴びる


 これらの方法は、概日リズムが強い光に反応してリセットされる仕組みを利用したもので、この方法を応用すると、日付変更線を超えての旅行の場合、予め時間に余裕があれば、旅行先の時間に合わせた概日リズムにするという方法もあります。

 この他に、薬剤での調整方法もありますが、その方法は医師の処方にもなるます。症状が続く場合、短時間作用型の睡眠薬によって、睡眠が改善し、そして脳を刺激する薬剤によって、目がさえる時間帯は覚醒できるようにすることがあります。これらの薬剤で体内リズムを強制的に調整しているので、概日リズムが修正されているわけではありません。

 この症状がある場合、規則的な時間のズレであれば、その時間に合わせることを目的とした覚醒-睡眠リズムにすればよいのですが、不規則型の場合には内服の調整を合わせて行うことが多いようです。

まとめ

今回は、概日リズム障害について書いてみました。睡眠障害は様々な症状があり、原因も様々です。自覚できるものもあれば、もしかしたら自覚的ていない方もいるかもしれません。この診断は医師によるものになるので、睡眠や覚醒時間に不安のある方は一度相談してみても良いのではないでしょうか。


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