睡眠とカルシウムの関係
おそらく、ほとんどの人が一度くらいは不眠を経験したことがあるのではないでしょうか。その原因は、ストレスや環境の変化、薬の副作用などは様々ですが、対策を講じることで再び眠りを元に戻せます。また、慢性的な不眠は、うつや不安感、睡眠時無呼吸症候群などの健康に関わる症状は、主に生活習慣に起因することが多いです。
この不眠と疲労やイライラ感は、日常生活に支障をきたすことになり、自律神経系が乱れ、肥満や高血圧、心臓病、糖尿病などのいわゆる生活習慣病のリスクが高くなることになります。
イライラ感・・・これも不眠の原因のひとつ
“イライラ感”は、不眠の原因の一つでもあります。これを解消する方法の一つとしてて、カルシウムです。
カルシウムは、イライラを解消して気持ちを落ち着かせることや風邪などの細菌やウイルスと戦ってくれる免疫機能に関わっています。
この働きは、起きているときに行われるだけでなく、寝ているときにも働くのです。この機能をしっかりと活用するには、カルシウムの血中濃度が安定させることが必要です。荒ぶった神経を鎮め、心地よく眠るには、カルシウムを摂ることが重要になります。
カルシウムの効果とは?
カルシウムは、体重の1~2%含まれており、生体内に最も多く存在するミネラルです。このほとんどはそリン酸と結合したリン酸カルシウム(ハイドロキシアパタイト)として骨や歯などになり、残りは血液、筋肉、神経などに溶けています。
カルシウムは、骨や歯の主要な構成成分になるほか、細胞の分裂・分化、筋肉収縮、神経興奮の抑制、血液凝固作用の促進などに関与しています。
このカルシウムの作用にある『神経興奮の抑制』が睡眠に関係することがわかっており、脳の神経細胞に出入りするカルシウムによって、睡眠時間の長さを制御されることがわかっています。カルシウムがあることで睡眠時間を確保することができると言うことになります。また、睡眠時間外にも記憶にも関わっています。人が学習するためには、その覚えた内容を強化する必要があるのですが、寝ている間に必要とされる学習内容の神経接続を強化するために、必要度の低い神経接続ができないようにする「覚えない=忘却」ことが必要になります。カルシウムは脳にとって「忘却」するという機能になります。
カルシウムは、人が「睡眠時間を確保する」「学習する」という機能に必要不可欠な栄養素になります。
このカルシウムがないと、寝ると言うことができず「不眠」になりますし、物事を「覚える」ということができなくなってしまいます。
カルシウムは「忘れさせる機能」がある
先ほどの説明のように「カルシウム」には「忘却」の機能があります。忘却とは「物を忘れる」ということでもあります。これって「認知症」を思い出しませんか?
認知症やパーキンソン病、核上性進行性麻痺などの脳や神経疾患(特に難病)と言われている状態になると、細胞の中のカルシウム濃度が正常の場合と異なっていることが分かっています。この異常により、アルツハイマー型認知症のように神経接続(ニューロンの機能)に異常が生じたり、さらにひどくなるとニューロンが死んでしまい、病気の一因になってしまうことも分かってきました。
では、カルシウムを取り過ぎてしまうと「認知症や何かしら病気」になってしまうのではないか?と考えてしまうかもしれませんが、そうではありません。
別の研究では、脳梗塞のような脳内の血管が詰まってしまい、脳の神経に栄養が途絶えることで、細胞が死んでしまい、運動や感覚麻痺、高次脳機能障害など様々な障害が出ててきます。この細胞が死ぬことで、カルシウム濃度に異常が出てしまいます。
脳に直接的な異常があると、脳内のカルシウム濃度が変わり、以上をきたしてしまうと言うことです。普段は骨に貯蔵されるか、必要以外は体の外に出てしまいます。
カルシウムが足りないとイライラする?
「カルシウムとイライラ」については色々と話がありますが、血液中のカルシウム濃度が低下することで、情緒不安定、集中困難といった精神症状がでると言われています。これ不安定さや物事に集中できなくなることが「イライラ」という感情になっているということです。これは一応、医学的な矛盾はなく説明ができるのですが、カルシウム不足が原因ではなく、「ビタミンD欠乏症」「甲状腺機能低下症」などの病気で起きるもので、通常ではまず起こり得ない現象なのです。
つまり、「カルシウムが足りないから怒りっぽい」は当てにならないと言うことになります。
カルシウムが含まれる食べ物
カルシウムは、干しえび、小魚などの魚介類、海藻、牛乳・乳製品、豆類などに多く含まれます。植物性食品は、カルシウムの吸収を阻害するシュウ酸(ほうれん草に多い)、フィチン酸(豆、穀類に多い)などが含まれるので、牛乳や乳製品に比べると、どうしてもカルシウムの吸収率は下がってしまいます。また、リン(スナック菓子に多い)や食物繊維もカルシウムの吸収を邪魔してしまいます。なので、効率的にカルシウムを摂取するのには牛乳や乳製品が一番です。牛乳・乳製品を中心に、小魚、海藻、豆類、野菜などの食品からバランスを考えて摂取することが理想的です。
カルシウムの摂り方
・夜摂る:骨を作るのに必要な成長ホルモンの分泌は夜間にでるため、寝る前や夕食時などに摂るのが良いです。
・ビタミンDも重要:カルシウムを単独では、体内に十分に摂取することができず、ビタミンDと一緒に摂ることで体内への吸収率が上がります。
・クエン酸と一緒に摂る:カルシウムをクエン酸があるレモン果汁と一緒に摂ると小腸からのカルシウム吸収につながります。
まとめ
今回は睡眠とカルシウムについて考えました。いつも、睡眠は生活習慣からの改善を筆者は話していますが、基本的なところは生活習慣が一番であり、栄養と運動を掛けわせないと『最高の睡眠=超・快眠』は得られないということに至っています。
その補助として、小難しいことも書いていますが「あっそう言うことなんだ」と思って頂くだけでも良いです。普段食べるものに気をつけるだけで、不眠が変わるとは思っていませんが、変える切っ掛けになるのは間違いないので、実践に落としてみてはいかがでしょう?
参考:健康長寿ネット(カルシウムの働きと1日の摂取量より)
あなたの睡眠を変えてパフォーマンス・アップ 超・快眠セミナー
フィジカル・ボディメンテ・ケア 理学療法士さんの出張リハビリ