睡眠と花粉症・・・関係あるの?
2019年−20年は暖冬の予想で、全国は雪不足という事態でした。筆者は夏よりも、ウインタースポーツの方を好むので、残念なのですが・・・。
それはさておき、今回はこの暖かい冬の影響で、すでにあちらこちらかで話を聞いている「(スギ)花粉症」と睡眠の関係について考えてみました。
この時期から皆さんを悩ますのが「花粉症」ではないでしょうか?残念ながら筆者は「花粉症」ではないので、この辛さはわかりませんが、別アレルギー反応は持っているので、理不尽な身体に起こる辛さはわかります。実家の両親や弟は花粉症に悩まされており、鼻汁・目の痒みにかなり辛い様子であるのを毎年みています。
両親や弟が共通していうのが「花粉症の薬は眠くなる」。
極端に考えると「花粉症=眠気」が来るということです。
ということで、花粉症と睡眠に関係する話について調べてみました。
眠気とは?? ー体内時計と睡眠物質ー
通常、私たちは毎日、決まった時間に目が覚めて、日中は仕事や学業などの活動をして、大体決まった時間に眠り着いて、7-8時間程度の睡眠で目が覚めるようになっています。また、徹夜をすると明け方に一旦強い眠気を感じることがあるものの、その眠気は午後には引いています。
人間には、決まった時刻に眠気がきたり・覚めたりする性質があります。
この眠気については、研究が進んでおり判明していることが2つあります。1つ目は「生体時計機構」と言われるもので、一定の時間になると眠くなるという機構で「視交叉上核」から睡眠を促すホルモンとなる「メラトニン」が体内から分泌されることが要因になります。2つ目は「恒常性維持機構」で、疲労による睡眠です。疲れてくると無意識に睡眠を促す物質である「アデノシン」が脳内に溜まって、眠くなるというものです。
つまり、眠気と考えると「睡眠を促す物質(睡眠物質)の量」と「体内時計周期」が関係してくると言えます。
さきほどのアデノシンなどの「睡眠物質」は、脳内の意欲に関係する部位に溜まりやすく、ある程度溜まると脳が眠らなくては行けないという状態になって寝てしまうことになります。睡眠状態になると、この睡眠物質の量が減り、また「脳が起きる状態」に変わってきます。
花粉症の症状が睡眠障害を起こしている?
花粉症とは、スギ・ヒノキ・ヨモギ・イネ・ブタクサなどにの花粉が私たちの体内に入り込んでしまうことで起こるアレルギー反応のことです。
アレルギー症状として、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりが3つが代表的な症状と言われています。また、集中力の低下や思考力や記憶力の低下などが起きたり、倦怠感や疲労感が強く出てきたり、気分的偏重も強くなって、いらいら、ゆううつが起こることもあります。
このような症状を起こす引き金になっているのが実は睡眠にあるということを知っていましたか?
花粉アレルギーによる睡眠問題
まず、大変になってくるのが、鼻炎による鼻づまりです。鼻づまりになると、どうしても喉の空気の圧が変わってしまい、気道が萎むようになってしまいます。つまり、いびきをかいたり、呼吸が止まってしまったりと、呼吸が乱れてしまい、睡眠時無呼吸症候群のような状態となってしまい、眠りの質を低下させてしまうことになります。結果、日中の眠気が強くなってしまいます。
アレルギー反応とは、花粉などの物質を異物と過度に認識してしまい、免疫細胞からのアレルゲンに対抗する抗体が出るだけのところ、他の免疫細胞も連鎖的に反応してしまい、くしゃみや鼻汁を誘発することになるのです。また、サイトカインという免疫物質が「眠気を引き起こします」。サイトカインは、風邪など時と同様に、体を温めるため、体温を上昇させます。これは、異物が体内に入ったことで、その異物を弱らせるため、体温を上昇させて異物の活動を弱めて、免疫細胞の働きを促す人体機能の一つなります。その結果的に、体が温まるので体が眠たくなってしまいます。
花粉症には内服がありますが、これが眠気を呼びます。アレルギー治療薬と言えば抗ヒスタミン薬です。このヒスタミンは、くしゃみや鼻水の原因となるホルモンになります。また、脳内にとっては「覚醒」を促す物質であり、かなり強いんです。
しかし、アレルギー症状を抑える内服=ヒスタミンの量を抑えるということになり「眠気」が起きやすい状況になってしまうのです。
(尚、今ででは眠気の少ない抗アレルギー薬も出ています)
花粉症と睡眠障害の相乗効果
この時期になり、花粉症の症状で不眠となる日が続くと、ストレスが溜まることになり、自律神経が乱れ、副交感神経が優位に働き、ホルモンバランスが崩れてしまいます。
副交感神経が優位になりぎてしまうことで、鼻の粘膜が腫れ、鼻が詰まりやすくなり、ストレスで粘膜が荒れ、アレルギー反応がより起きやすくなってしまいます。また、ホルモンバランスが崩れることで、アレルギー反応を抑えるホルモンが不足してしまうもあります。
睡眠不足になってしまうことで、このバランスが崩れてしまうと、自律神経とホルモンが相互作用的にアレルギー症状を悪化させてしまうことになります。花粉症の人は、花粉の時期になると、1日あたりの平均睡眠時間が約1.2時間程度眠れなくなるとも言われています。
花粉症と睡眠の悪循環を断とう!
1:寝具の花粉は取り除く
寝具に花粉が付着してしまうと、睡眠を妨げてしまうことになるので、この時期は、ふとんや枕を外で干さずに、乾燥機やふとんクリーナーを使ってみてはいかがでしょうか?
尚、花粉をしっかりと落とすためんも、寝る前に入浴をすることは需要なことです。また、寝苦しくない程度に室内の湿度をあげておくことで、花粉が水分を含んで、室内での飛散が減ることになります。
2:ハーブティや温かい飲み物の効果
温かい飲み物は、温度と湯気の効果で鼻粘膜の血流をよくし、鼻づまりをやわらげる効果があり、ハーブティにはリラックス効果による入眠のしやすさがあります。
3:鼻うがい
眠る30分ぐらい前に、食塩を溶かした温かいお湯で鼻の洗浄をすることで、鼻の粘膜に吸着しているホコリやアレルギーの原因物質を洗い流します。(生理食塩水になるので、痛くないです。どうしても作るのが難しい場合は、ドラックストアに売っている生理食塩水を温めて使っても大丈夫です)
やり方)
①37~38度程度のぬるま湯200mlに、小さじ1/2の食塩
②片方の鼻の穴を指で押さえ、少し息を止めて、もう片方の鼻の穴から食塩水を吸い込み、口から出す。
4:寝方の工夫
鼻は、下にしている側が詰まりやすいという特性があるので、右と左では鼻の中の広さが異なる人の場合、鼻の広い側を上にして眠ることで、鼻の通りは良くなります。なお、この左右の広さについては、耳鼻科に先生に診てもらう分かります。
いかがでしたか?
実は、花粉症はこのように睡眠問題を関係するものなのです。今年もこの時期ですので、睡眠不足にならないようにして、悪化する負のスパイラルから抜け出していきましょう!!