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子供は寝た方が、頭は良くなるのか?

子供は寝ると頭が良くなるのか?

筆者は基本的に一夜漬けはできないタイプでした。なので、夜は寝るというのが大学生までの基本スタイルでした。しかし、「寝る間も惜しんで勉強」が良いとされる風潮も一昔前もありましたし、今もそう思っている人もいると思います。睡眠を削って勉強したとしても果たしてどうなのでしょうか?
今回は、睡眠が与える学習についてまとめてみました。

最近の子供の睡眠事情

 日本人は、世界で有数の不眠大国であり、戦後の生活スタイルが変化により、睡眠時間が年々減少していることがわかっています。仕事をしている大人だけでなく、睡眠時間の短縮は子どもにも拡大されており、睡眠不足を訴える小中学生は増加しているという報告もあります。未就学児・乳幼児からもこの睡眠不足の傾向があることがわかっており、夜10時を過ぎても眠らない子どもの割合が増えているとも言われています。子供が「夜に眠らない」ことや「夜中に何度も起きる」といった話もあり、深刻な問題として捉えても良いのではないか!?

睡眠は、子供には脳と身体の成長に関与する大切な活動であるので、子どもの睡眠不足が問題になっているということは、未来の日本社会に注意喚起すべき問題にもなってくるということになると考えています。

睡眠不足にある子どもは、昼間の眠気・気怠さ・倦怠感が強くなったり、身体超譲渡しては、頭痛、肩こり、むくみなどが出てきたりもします。精神面でも、イライラして怒り易くなったり、集中力・記憶力の低下、無気力(感情が表に出にくい)、感情抑制が難しくなったりするといった、大人と同じような症状に悩むんでしまっています。

小学生〜高校生までの平均就寝時刻の推移

寝る子は育つ・・・は本当なのか?

「寝る子は育つ」は本当にそうなのであるか?
睡眠中、脳下垂体から成長ホルモンが分泌され、子供の時には身体の発達に関わっていることはわかっていることから「育つ」という意味ではあっています。

では、脳の発達や学習能力の高さにはどのような影響があるのでしょうか?
子どもにおける「睡眠時間」と「記憶(海馬の成長)」に関係があることがわかってきました。

東北大学の瀧教授の発表で『Sleep duration during weekdays affects hippocampal gray matter volume in healthy children.:睡眠時間による子供の海馬の体積量について』の研究で、平均睡眠時間が9〜10時間睡眠の子どもの方が、5〜6時間睡眠の子どもよりも海馬の大きさが1割ほど大きく、睡眠時間と海馬の体積が関係していることがわかっています。


海馬とは、脳の左右に分かれている部分(側頭葉)の中心部の両側に存在しており、勉強や仕事などの言葉や視覚で覚える記憶をするものです。海馬の大きさは記憶力に影響し、大きい方が記憶力が高いといわれています。脳は6歳から12歳ぐらいまでの間、盛んに成長し、特に10歳前後が最も成長するものであることから、この時期の睡眠が大切というということがわかります。

かと言って、海馬が大きいから「頭が良いとは限らず」、研究の結果から「睡眠時間の長さと海馬の体積が関係している」ことであるということです。ポイントとするのであれば、5−6時間の睡眠時間では、海馬の体積は十分に発達しないということではないでしょうか。寝不足や睡眠の質を下げてしまうと学習を記憶する能力に影響があるかもしれないということです。

つまり、根を詰めてこの時期に睡眠時間を削ってまで、何かをするということは、脳が発達するゴールデンタイムを失うことになってしまうということになります。


また、睡眠時無呼吸症候群のような睡眠の質が低くない状態、ストレスやうつ病、アルツハイマー病などがあると、海馬の体積が小さいことがわかっており、睡眠時間をきちんと確保することで、これらの病気の状態になりにくくなるということがわかっています。


睡眠時間を確保することで


・記憶と学習に関わる「海馬」を発達させることができる
 (睡眠の質が低いまたは睡眠時間が短いと「海馬」の発達が少ない)


・10歳ごろが脳の発達のピークである
 (6−12歳頃まではしっかりと睡眠時間を取っておいた方が良い)


・睡眠時間を確保することで、海馬が小さくなることで起きる病気のリスクを下げることができる
 (将来的な病気として、海馬関連の病気もあるが、子供肥満の原因には睡眠不足もあるので、睡眠の確保は子供生活習慣病予防にもなります)


ということになります。

小学生〜高校生までの平均睡眠時間

睡眠習慣の見直しで学習効果アップと健康維持を!

睡眠の質によって、心身健康や学習効率が変わってしまいます。今回は睡眠時間から考えましたが、寝ている時間だけではなく、質の良い睡眠をとることで、脳内にある様々な記憶の情報が整理されて『学習』につながることになります。
残念ながら、1度の睡眠だけでは効果はなく、日々の睡眠習慣を良いものにすることで健康でかつ学習効率をあげることにつながることになるでしょう。

子供の学習効果をあげる睡眠習慣!

・ 規則的な生活リズムが良い睡眠を作る

子供の生活習慣を整えることができるのは親です!!
そもそもヒトの生体時計は1日約25時間となっていることから、地球の24時間とずれています。毎朝起床後に朝日を浴びる習慣を作ってあげましょう!自然に体内時計が修正されます。

また、眠いからとむやみに昼寝を取り入れるのではなく、なるべく起きる時間や寝る時間を同じ時間帯にして、規則正しい生活を心がけされることが重要です。お休みになると朝寝坊や夜更かしをしたくなるかもしれませんが、生活リズムを崩さないようにしましょう。

活動と睡眠のリズムが不規則になってしまうと、昼間の眠気や入眠障害・中途覚醒などの睡眠障害につながり、健康が崩れ、学習効果などは低いものになってしまいます。

心身がリラックスさせることで良い睡眠となる

心身をリラックスさせてから、寝ることで睡眠の質を上げることができます。例えば、お風呂に入って体をリラックス、簡単なストレッチで身体を伸ばしてリラックス、心地よい寝室環境(照明、温度、湿度など)でリラックスという方法もあります。


また、寝る3時間前までの運動は、適度に体を使うことで疲労させ、眠りにつき易くするためには効果的な方法となります。なので、日中は活動させるようにしましょう。但し、寝る直前の運動は覚醒させていまいますので、オススメはしません。


注意することは、どうしてもインターネットやSNSが気になりがちな年齢でもあるので、寝る前はなるべくパソコンやスマートフォンの使用を控えるように管理することも必要になります。機器が発する光が睡眠を促すホルモンが分泌を抑えてしまうことになり、睡眠不足や睡眠の質の低下させてしまいます。

総睡眠時間,ノンレム睡眠,レム睡眠の年齢による推移

まとめ

単純な習慣ですけど、意外と実践は難しいです。でもこれだけで、睡眠の質は変わります。行いやすい実践的な提案ではあると思うので、取り組んでみてはいかがでしょうか?

今回は「子供は寝た方が頭が良くなるのか?」でしたが、睡眠と海馬の関係からみてみました。学習や記憶が関係する「海馬」は睡眠の質が低かったり、睡眠不足になることで、発達が十分ではなくなることがわかりました。
大切な学習を発達する時期には、睡眠時間と質の高い睡眠はいかがでしょうか。

参考文献:
子どもの睡眠と脳の発達,大川匡子,学術の動向,2010年4月.
未就学児の睡眠指針,公正労働科学研究費補助金,未就学児の睡眠・情報通信機器使用研究班.
乳幼児の睡眠と発達,岡田清夏,心理学評論Vol. 60, No. 3.
“Sleep duration during weekdays affects hippocampal gray matter volume in healthy children”,Y.Taki,Neuroimage. 2012 Mar;60(1):471-5

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