良い眠りを考えてみましょう!3月18日「睡眠の日」
3月18日は、世界睡眠医学協会(World Association of Sleep Medicine)が定めている「世界睡眠デー」になります。世界の睡眠についての状況や快眠のための方法についてまとめています。
また、最近では新型コロナウイルスの世界的流行が問題になってきています。季節型or新型インフルエンザの時期と被っていましたが、これらウイルスの感染ルートは「飛沫感染:感染している人のくしゃみや咳(せき)で出るしぶきを吸い込むことによる感染」か、「接触感染:感染している人の唾(つば)や鼻みずが手から手へ、あるいはドアノブやつり革などを介して手に付着することなどによる感染」です。
感染の知識があって予防に気をつけていたとしても、十分な睡眠が取れない状況が続くと、かえって病気のリスクが高まってしまいます。睡眠の質を高めておくことも感染予防に必要なことになります。
世界と日本の睡眠状況
2019年のOECD(経済協力開発機構)の調査では、日本の睡眠時間が442分(7時間22分)と睡眠時間が一番短い国でした。「厚生労働省より平成29年度国民健康・栄養調査」から睡眠時間をみると、日本人睡眠時間のOECD平均となる6時間以下は全体の4割でした。
4割程度は睡眠不足と感じていてもおかしくないはずなのですが、8割が「睡眠時間はとれている」と矛盾した結果となっていました。
日本人は睡眠時間が少なくても、十分に寝ていると感じるということなのか?
平成21年度から経過からでは、睡眠が十分に取れている割合が減少し、睡眠が不足しているという割合が少し増えてきています。これは日本人も睡眠時間が短くなっていることを自覚してきたということになってきたとということではないでしょうか。
睡眠の必要性を知っていますか?
世界中の人々は、身体的にも精神的にも健康であるためには「睡眠」が重要であることを知っています。睡眠不足になると、記憶力は低下し、仕事や生きる意欲などがなくなり、生産性のある活動もできなくなってしまいます。
健康を作っていくためには、「睡眠」「栄養」「運動」が必要なのですが、「睡眠」が栄養や運動よりも重要であるということがわかってきています。
睡眠の教育については、日本は後進国であり、世界では睡眠の重要性や良い睡眠を取るための手段を教育に取り込んでいる国もあるようです。
世界の(OECD加盟国)の平均睡眠時間は509分(8時間29分)となっており、日本の平均と比べると1時間ほど長いです。これでも、別の調査では5割ほどしか睡眠に満足ができていないそうです。眠りが満足できていない要因としては、夜間に目が覚めてしまうことや朝起きにくいことがあるようです。
そして、睡眠を妨げる要因が「不安・ストレス」や「スマートフォンやメール」であることはわかってるようです。ストレスなどへの対処はできている方もいるようなのですが、就寝前や起床後にメールなどのやりとりで携帯電話の使用をしてしまっている人が多いようです。
睡眠時無呼吸症候群は不眠・万病のもと
睡眠の阻害する要因として問題となってくるのが「睡眠時無呼吸症候群」になります。世界的には睡眠時無呼吸症候群となる割合は、30~60歳の男性4%,女性の2% と言われており、女性は閉経後に増加する傾向にあるようです。日本でも潜在的には200 万人ほどと推測されており、欧米に匹敵するまでになっています。
睡眠中に無呼吸が繰り返されることで、呼吸障害(低酸素血症など)や睡眠障害(夜間中途覚醒、深睡眠の欠如、REM 睡眠の減少)が起こります。その結果、「日中の強い眠気」「不眠」「起床時の頭痛」「熟睡感のなさ」「反応速度低下・作業効率低下」「抑うつ状態」など様々な症状がでてきます。また、不整脈、狭心症の循環障害、糖尿病、高血圧による動脈硬化進行からの虚血性心疾患,脳血管障害リスクが高まってしまいます。
この睡眠中の異常に本人の自覚は乏しく、家族やパートナーから「いびきがひどい」とか「呼吸が止まっている」と言われ、気がつくことが多いです。
現在は、治療法として機器(CPAP)による治療法もありますが、これを使用して眠れるように慣れるまでは時間が必要になるそうです。基本的には、喉が詰まってしまうことで起こる病気で、肥満が原因であることが多いことから、寝方や生活習慣の見直しによるダイエットも並行して行い経過を見ていくことになるようです。
睡眠時無呼吸症候群って?
村田 朗,睡眠時無呼吸症候群の診断と治療,日医大医会誌 2007; 3(2),p96-p101
生活を改善するための睡眠ケアと睡眠の健康の向上のためには?
睡眠を考える上で、大切なことは時間よりも質です。いくら睡眠の時間を確保したとしても、深い睡眠を取ることができなければ、意味がありません。睡眠に必要なことは、深い睡眠を行うことができることで、それを私たちは「質」として捉えています。
この「睡眠の質」が高いことで、睡眠中の心身の回復がよくなり、翌日のパフォーマンスをあげることになります。また、精神面を改善させ、免疫機能を高める効果もあり、生活の質の向上や、病気の予防にもつながります。
この「質の良い睡眠」ととるために必要になることが「自律神経のコントロール」になります。
自律神経とは、「交感神経」と「副交感神経」の2つからなるもので、無意識に私たちの臓器(胃腸や心臓の動き)、汗や体温を調整し、身体を一定の状態に保つ働きをしています。
この自律神経の働きが乱れてしまうと、頭痛や腹痛、倦怠感や疲労感が出てきたり、風邪などの病気にかかりやすくなったりします。そして、結果的に仕事や学業の生産性・効率性の低下につながってしまいます。
① 規則正しい生活で睡眠リズムづくり
質の良い睡眠の要素として「ルーチン」は大事になってきます。
睡眠と覚醒のリズムをつけることで、適切な時間に眠気がきて眠れるようにします。そのため、朝起き時間・食事の時間を整えること重要です。
「睡眠」を作るには、生活習慣を作ることが必要ということです。
睡眠に関するルーチンを生活習慣に組み込むことで「質の高い睡眠」に近づけることになります。
② 夜更かしは避けて、朝は同じ時間に目覚めること
夜更かしをしてしまうと、体内時計がずれてしまいます。
結果的に睡眠リズムが崩れ、睡眠時間が不規則となり、睡眠の質も悪いものになってしまいます。
夜更かしを避け、睡眠の質を上げるためには、携帯電話、メールやゲームなど寝入る前の使用を避けることです。どうしても仕事などのメールを寝る前にしてしまうと、心理的に気になってしまったり、そもそも、スマートフォン・タブレットからでるブルーライトは、脳を覚醒させてしまうため、目が覚めてしまうことになります。そして、寝ても質の低い睡眠をなってしまいます。
できれば、寝入る1時間前くらいからスマートフォン・タブレットなどのブルーライトを浴びる機器の使用はやめましょう。
③ 睡眠リズムを作るには日中をアクティブに
良い眠りを作るためには、適度な運動が必要です。
運動を行うことで心身覚醒がされます。そして運動が適度な疲労を作り、夜の眠気を促してくれます。これにより、睡眠ー覚醒リズムが整えられることで、寝つきの改善・熟睡感アップなどの睡眠を安定させることにつながります。
さらに、朝日を浴びることで、体内時計はリセットされます。じつはその時点から夜に向かって睡眠ホルモンの生成が始まります。つまり、朝から活動できるようにして日光を浴びる習慣を作ることができれば、夜に眠りやすい体作りができるということになります。
しかし、寝る前の激しい運動は、交感神経を優位に働かせてしまうことになり、眠りを大きく妨げてしまいますので、注意しましょう。
④ 焦ると眠れないので、心を落ち着かせること
質の良い眠りに必要なのは「リラックス」です。
リラックスできるように、心身の和らげるようにして、自然な眠気が出るようになることが必要です。リラックスすることで副交感神経が優位に働き、眠りが良くなります。
どうしても、眠れないなというときは、寝床から一度離れて、自分なりにリラックスできる方法で気分転換することがよいです。そして、眠気が出てきたら、再び寝床につくようにしましょう。
◯気持ちを徐々に落ち着かせる方法として
・就寝2時間前にはお風呂で体を温めておく
・就寝1時間前から部屋の照明を落とす
・就寝30分前にゆったりストレッチ
これらは副交感神経を寝る前に優位に働かせる方法の一つです。を睡眠に向けて準備行動が意識付けることで、眠りやすくなります。
睡眠不足に潜む個人・経済的リスク−個人でできる睡眠対策−
良い睡眠とは? どんな睡眠?
健康になる睡眠って?
まとめ
今回は、世界睡眠の日ということで、睡眠について改めてまとめてみました。
じつは、世界睡眠医学協会が決めた「睡眠の日」で、日本では睡眠健康推進機構と日本睡眠学会との協力によって制定したもの9月3日にも「睡眠の日」があります。
なので、日本では3月18日を「春の睡眠の日」、9月3日を「秋の睡眠の日」と定めているようですね。春眠不覚暁(春眠暁を憶えず・・・)と秋の夜長(9月23日頃〜11月7日頃あたり)に向けた睡眠傾向活動ですね。またその時期にまとめてみたいと思います。
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