良い睡眠とは? どんな睡眠?
「質の良い睡眠をとりましょう」と言われますけど・・・睡眠の質を上げる条件は色々あげられるものの、どんな状態が一体良い睡眠なのでしょうか?
以前、睡眠の生理(睡眠とは? 睡眠の生理②)でも話しましたが、人間の睡眠は段階を追って深くなるようになっています。その時に出てきたのが「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という睡眠パターンです。
レム睡眠(REM sleep)は、眠っていても眼球が素早く動いている眠りの浅い状態で、脳はまだ起きています。ノンレム睡眠(non-REM sleep)は、眼球は動くことはなく、ぐっすり寝ている状態で、脳もほぼ寝ています。通常、私たちが眠りにつくと、徐々に深いノンレム睡眠に入り、1時間ほど経つと、逆に脳の眠りは少しずつ浅くなり、寝てから約90分後にはレム睡眠となり、そしてまた徐々にノンレム睡眠に戻っていきます。もし、6時間の睡眠時間なら、このレム睡眠とノンレム睡眠の連続が約90分周期で4セット程度繰返して、朝となって目が覚めるということになります。
ここで気付く方もいるかもしれませんが、朝方に向かって徐々に私たちの眠りは浅くなっていくという性質があります(もちろん、生理学的反応などで色々とお話しできる事がありますがそれまた別の機会で)。寝つき始めてからの一番はじめの深い睡眠が脳が一番休めていると言う事にです。眠りの深い睡眠は、脳が一番リラックスした状態であり、傷ついた細胞の修復を行なう成長ホルモンの分泌がピークになることがわかっています。この他にも記憶の整理・定着などが行われています。
「良い睡眠」=脳がリラックスして休めている状態
眠り始めてから、いかにして深い睡眠状態にすることが「良い睡眠」ということになります。脳は刺激に左右されるという特徴があります。脳にとって眠りを妨げる要因は容易に睡眠状態を悪くしてしまうのです。
1:寝る前のスマフォ・PCなど
良く言われているものですが、単純な話です。これらの映像や文字刺激が問題なのではなく、この映像・画像から放出される光、すなわち“ブルーライト”です。ブルーライトは質のよい睡眠に不可欠なホルモンの“メラトニン”を減らし、見ているうちに眠気が減ってしまい、脳を休ませることを邪魔してしまうことになります。
2:寝室環境
寝室の環境は、温度と湿度、広さ、明るさ、音のことを示します。例えば、暑すぎたり、寒すぎたりする部屋では自然な眠りは得られにくくなります。また音なのですが、40デシベル以下から睡眠ができる環境とされています。ちなみにイメージとしては、静かな図書館というところです。
3:ストレス
言わずと知れた睡眠の大敵「ストレス」です。今ではの多種多様なハラスメントから長時間労働まで様々なストレスがあり、それが睡眠に悪い影響を与えています。眠るときは、副交感神経が優位に働くようになって、眠りにつく事ができるのですが、ストレスが大きくなってしますと、自律神経のバランスが崩れてしまい、眠ろうと思っても交感神経が働き、眠れない状況にとなり、結果的に不眠や睡眠の質を下げる状態になってしまいます。
今回は、3つのよく言われている快眠を得るため睡眠の注意事項を挙げてみました。これは、この習慣をするから睡眠に良いと言うわけではなく、寝始めの3−4時間で脳をリラックスさせて休ませる事が、私たちの健康にとって良くなるために必要ということです。
「睡眠を改善するには習慣から」と私も話しますが、習慣が睡眠を変えるのではなく、この習慣んは何のためであるかと言うことを覚えていただくとで、「快眠」への理解が深まるのではないかと思います
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参考文献:
健康づくりのため睡眠指針2014(厚生労働省)
身体活動と睡眠(北海道大學教育學部紀要 第75号.1998)