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睡眠負債は・・・大変? 気がつかない恐怖

目次

睡眠負債とは?

最近になり「睡眠負債」と使う事が出てきましたが、スタンフォード大学のWilliam C. Dement 教授により提唱された言葉で、日本では2017年のユーキャン流行語TOP10に選ばれ、NHKでも特番として取り上げられるくらいの問題としてあがってきました。


睡眠負債とは、睡眠不足が借金のように積み重なってあらゆる不調を引き起こす状態のことを言います。自覚のある睡眠不足なら、眠ることを考えると思うのですが、自覚がないくらいのわずかな睡眠不足が積み重なることでいつの間にか大きな影響を及ぼす恐れがあるのが「睡眠負債」の状態なのです。


睡眠不足が蓄積すると、もの忘れや判断ミスが増えたり、集中力が続かなくなる、怒りっぽくなる、風邪をひきやすくなる、太りやすくなるなど、自覚できるような状態が増えてきますが、年齢かなとはたまたまかなとこれが「睡眠負債」によるものとは思いません。

この状態が続けられると、うつ病、高血圧症、糖尿病、がん、肥満、認知症にもなりやすくなるとリスクが考えられており、単なる睡眠不足がその蓄積で社会問題(主に社会保障費(雇用問題、医療・介護保険問題など)として筆者は考えて話してます)になってくるのです。

筆者の睡眠生活はどうだったのか?

睡眠について語っていますが、本当にやばい睡眠生活でした。
中学までは7時間程度の睡眠でしたが、

高校時代から生活が一変。
高校が遠かったのと部活あり、朝練と夜は遅くまであったので帰宅も遅いこともあり、
 高校時代の生活リズム 起床5:00―就寝0:00 睡眠時間5時間程度
 部活は本当に一生懸命のところだったので、月1-2回程度の休みでした。

大学時代は、高校よりも遠く、通学時間が増え、学費の足しにするためのアルバイトもあって
 起床6:30―就寝2:00の睡眠時間4時間程度の睡眠生活へ突入。

東京へ就職後
 病院の勤務耐性が不規則勤務、学会発表、新人だった勉強時間が必要で、
 立場が上がっても仕事は増える一方でしたので
  平均睡眠時間4時間程度が続いていました。徹夜が社会人になってから何度もありました。

大学病院時代は
 大学院の講義やレポート、実験と論文作成などで起床5:00―就寝2:00の3時間程度の睡眠時間
 大学院終了後も、勉強・学会発表や資料作成と時間が平均睡眠時間は3-4時間前後
と慢性的な睡眠時間の少なさはありました。

年を追うごとに睡眠時間が減っていく睡眠生活・・・・。
睡眠負債が蓄積する一方な生活でした。

人生の半分以上が4時間程度の睡眠時間。人生の1/3が睡眠と言われているのに、1/6程度しか睡眠に時間が使われていないのは、いつか心身を壊すのではないかと周囲に心配されていました。

日本人の睡眠事情

現代の日本の睡眠事情についてどうなのでしょうか?

経済協力開発機構(OECD)による平均睡眠時間の調査(Gender Data Portal 2019)によると、アメリカ528分、イギリス508分、フランス513分、スペイン516分、中国542分と、1日の平均睡眠時間が500分を超える国が多い一方で、日本は442分と最短水準だでした。
日本人の睡眠時間は多くの先進国の睡眠時間と比較しても短く、まさに日本は「睡眠負債大国」ではないかと思ってしまいます。では、なぜ日本はこれだけ睡眠時間が短くなってしまう睡眠の負債が増えていく国になってしまったのだろうか?

これはまさしく筆者にも言えることなので思い当たる人が多いかもしれないのですけど

①労働時間が長い

OECDによる労働時間の国際比較調査によると、日本人の平日1日あたりの労働時間は年々増えているそうです。働き方改革と言われているにもかかわらず、残業時間においてはフランスの約3倍とも言われており、仕事時間が長い分、睡眠時間が削られています

②通勤時間が長い

総務省統計局の調査(平成28年 社会生活基本調査)によると、通勤時間が長い都市部の人は、平日の睡眠時間が短いのだそう。都市部で働く人の多くは、通勤ラッシュと寝不足のストレスによる疲れがたまっていると言われています。

③スマートフォンの使いすぎ

とある調査では、ほとんどの人が生活の中でスマートフォンを「手放せないもの」として挙げているとのことでした。生活に確かに便利になる必需品ですが、寝る直前までSNSやインターネット上でコミュニケーションをとるという事が多くなり、結果的に寝る時間帯にもかかわらず、覚醒度が高まってしまうことになり、睡眠時間を削るだけでなく、ブルーライトの影響で、睡眠の質も低下してしまいます。

つまり、日本の労働・学業の生活リズムや通勤・通学が慢性的な睡眠不足を作り出し、睡眠負債をなってしまっていると考えてられるのです。

睡眠不足で何が問題となるのか?

睡眠時間が足りていないことは、なぜ良くないのでしょうか?
以前にブログ「寝不足で起きる心身リスク」でも書きましたが、
一言で言うと、睡眠不足が『脳』にさまざまな悪い影響を及ぼしてしまうと言われているからです。

私たちが普段感じる「眠気」とは、「大脳を休ませてあげたい」という欲求と言われています。

大脳は、人間が物事を考えたり、感じたり、言葉を話したり、記憶したりといった役割を持っている大部分であり、睡眠不足にあると脳の細胞がどんどん破壊されてしまう状況になります。

結果的にどんな事が起こるのかと言うと、睡眠が不足する事で、記憶の定着はうまく行えず、記憶障害や言語の障害まで引き起こしてしまう可能性があります。

脳科学の研究の観点からでは、睡眠不足は、仕事の効率にも影響を与えることがわかっています。 睡眠時間が5時間以内の日が1週間以上続くと、人間の脳は、ほろ酔いに近い状態になり、注意力・判断力など仕事で必要となるスキルの低下につながり、仕事のパフォーマンスが下がってしまうということになります。

睡眠負債で起きる身体リスク

慢性的な睡眠不足になることでの睡眠負債。こうなってしまうと、日中の眠気や意欲低下・記憶力減退など精神機能の低下を引き起こすリスクが高くなると言われています。また、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすことが知られています。

例えば、健康な人でも一日10時間たっぷりと眠った日に比較して、寝不足(4時間程度の睡眠)をたった二日間続けただけで食欲を抑えるホルモンであるレプチン分泌は減少し、逆に食欲を高めるホルモンであるグレリン分泌が増えてしまい、食欲が増大することが分かっています。

ごくわずかの寝不足によって、食欲に異変が起きてしまい食べ過ぎと言う行動につながってしまうということになります。

実際に慢性的な睡眠不足の状態にあると、糖尿病や心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患といった生活習慣病になりやすくなっていることがわかってきました。

どうして睡眠不足で身体に変化起きるのか?

生活習慣病のある方は、睡眠時無呼吸症候群や不眠症の方が多いです。
睡眠時無呼吸症候群のの方は、夜間の呼吸停止が起きます。その呼吸停止によって「低酸素血症と交感神経の緊張」「酸化ストレスや炎症」「代謝異常(レフチン抵抗性・インスリン抵抗性)」などの自律神経系に作用してしまい、いわゆる生活習慣病というものの予備軍になるような状態が陥ってしまうことになります。
結果として5~10年後には高血圧・心不全・虚血性心疾患・脳血管障害などに生命に関わる重篤な病気になりやすくなってしまうリスクが高まっているということです。


そして、慢性的な睡眠不足になってしまっている方も同様に、「交感神経の緊張」「糖質コルチコイド(血糖を上昇させる)の過剰分泌」「睡眠時間の短縮」「うつ状態による活動性の低下」など多くの生活習慣病リスクを抱えてしまうことになってしまいます。


睡眠不足として、自覚数症状として、入眠困難(寝入りがなかなかできない)や中途覚醒(夜中に起きて眠れない)・早朝覚醒(予定よりも2時間以上早く起きてしまい眠れねい)などが認められており、良眠している人と比較して、糖尿病になるリスクが1.5~2倍になると言われいます。

慢性疾患と言われる健康損害リスク

このように、体が必要とする睡眠を取れない状態が続く、つまり睡眠負債が積もり積もっていくことで、身体に悪影響を及ぼし、深刻で命に関わる病気に発展する可能性があることがわかると思います。

私たちの体は、夜眠っている間に、脳や心臓などの重要な臓器を修復し、体温や糖代謝などすべてを整えているホルモンバランスを調整して、免疫システムの防御機能を高めるようにしています。

短い睡眠によるマイナスの影響は、心臓病や腎臓病、2型糖尿病などの慢性的な疾患を発症させるリスクを増大させる可能性があり、自分自身や家族の生活を変えるほどの影響を持ちます。

夜にどれくらいの睡眠を取ることが出来るのか?
これは、他のいろいろなことに比べて、非常に軽視されがちなこと、つまりあまり問題ではないと思う方もいるかもしれませんが、長期的に見解ができれば、健康に重大な結果をもたらす可能性があるということです。

睡眠不足を解消するには? 簡単に出来ることから!!

ここのブログでも過去いくつか紹介していますが、基本的には同じようなことです。しかし、データのように日本人は勤務時間や通勤・通学時間などの縛りで睡眠をする時間を削らなくてはならないと言う事態に陥っていることは間違いありません。仕事や学業に根を詰めてしまい、自分らしい生活を失うことは悲しいことでもあります。
体のことを考えると、しっかりを睡眠時間を取れる事がよいのですが、良い睡眠を考える際には「時間」「質」「規則性」があります。「時間」と「規則性」は生活リズムや内容の見直しを整えていくことで変わっていくことになると思います。ここでは、今回はまず簡単に取り掛かれる睡眠の「質」を高める対策を提案していきます。

睡眠環境を整える

光・音・香り・温度・湿度などの寝室の環境を整えることが良い睡眠を作ります。

音については、寝る前に音楽を聴くは良いことと思います。しかし、寝ている間はできるだけ静かな環境が理想であるので、タイマーなどである程度したら止めるか、静かな音楽良いでしょう。「人の声」は睡眠を阻害するため一番の要因であるので、テレビやラジオをつけたまま眠るのは辞めましょう。

光については、強い光を浴びると脳は朝と勘違いして活性化してしまい眠気が飛んでしまい、体内時計にも影響してしまい、その後の睡眠リズムも崩れてしまいます。寝る際には、遮光カーテンや雨戸などを利用し、光を遮断することをオススメしています。

香りについては、ラベンダーやカモミールなどの香りによる心理的リラックス効果を利用して、眠りにつきやすい環境を作ることをオススメしています。

温度と湿度についてですが、季節ごとに変わります。夏場は約25℃~26℃、冬場約22℃~23℃、湿度については50%~60%あたりが理想的です。

朝の光を浴びること

これも当たり前ですけど、強い光を浴びることが大事です。

睡眠負債である睡眠不足の解消を考えるとき、夜の過ごし方にばかりに目が行きますが、実は大事なのは朝、起床したときということが分かっています。

メラトニンの分泌のスイッチが入るのは朝起きて、太陽の光を脳が認識したときで、太陽の光を浴びると、その14~16時間後にメラトニンの分泌が活発化して、眠気がでてくるという人間の性質を利用しています。

つまり、朝起きても薄暗い部屋にジッと閉じこもっている生活では、メラトニン分泌スイッチが入らず、夜に寝ると言う睡眠リズムが崩れてしまうということです。

なので、夜に質のより眠りを作るためには、朝日を浴びることです。
ということは、毎日決まった時間に起きる事が必要になりますよね!!
朝の睡眠から生活リズムを整える事ができると言うことになります。

夜にモバイル機器を使わないようにする

薄暗い寝室で、スマホを見てるとブルーライトの影響を受けて、眠れなくなってしまいます。
ノートパソコンやタブレット、携帯電話などのディスプレイからは短波長のブルーライトを放ち、そのブルーライトは太陽の光と近い波長なのです。つまり朝日を浴びてしまうことと同じなので、
眠りを誘うホルモンであるメラトニンの生成を妨げてしまい、眠りを妨げる原因になってしまうということです。

難しい提案ですが、夕食後にこれらの機器を使わないようにすることが眠りやすくします。どうしても現在では必要なものでもある機器なので、夜に使うのであれば、放出されるブルーライトの量を抑制するフィルターやアプリを使うようにしてみてはいかかでしょうか?
理想としては、寝る1−2時間前には機器の使用がない事が良いようです。

カフェインを含む飲み物は朝しか口にしない

最後に

日本人の睡眠問題はまだ最近になって取り上げられたまだ再取り組みの問題です。しかし、働き手の健康を考える一番初めに取り組むべき問題であり、企業や個人でも健康課題として取り上げて良いものであると考えています。

日本人の平均睡眠時間から考えると、1日6~8時間というのは取り組みやすいものではないでしょうか?

日本の経済の担い手となるビジネスパーソンだからこそ、睡眠を疎かにして仕事に向き合ってしまうものかもしれません。仕事を今よりも効率よくしかも質の高いものにしていくためにも、パフォーマンスを上げる睡眠をとることは必要なことになります。

ぜひ、ご自身の睡眠習慣を見直してみるのはいかがでしょうか?

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