睡眠の生理④ノンレム睡眠とは
本日は小難しい話です。睡眠サイクルの話でくる2つの睡眠といえば「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」です。前回ブログ「睡眠の生理③ レム睡眠とは」でレム睡眠については書いていますので、今回はノンレム睡眠について書きます。
睡眠サイクルとは?
睡眠中の脳の活動は、脳波を測定することによって調べることができるようになり、その脳波によって、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類があることが分かりました。
レム睡眠とは、目がキョロキョロと動く急速眼球運動(Rapid Eye Movement:REM)がみられる浅い眠りです。レム睡眠中は、体は休んでいますが、脳は活動しています。
ノンレム睡眠は、レム睡眠ではない睡眠状態であり、脳も体も休んでいる状態です。筋肉の活動がみられることもありますが、基本的には体も休んでいる状態です。睡眠状態は、1段階から4段階に分かれており、4段階へ進むほど眠りが深くなります。
睡眠サイクルとしては、眠り始めてからレム睡眠から徐々に深い睡眠となって再びレム睡眠に戻り、およそ90分後に現れる周期となっています。
ノンレム睡眠は睡眠の深さによって段階に分けがされていますが、それは脳波で区分されており、ステージ1では頭蓋頂一過性鋭波、2では睡眠紡錘波およびK複合、3、4では低振幅徐波が出現しています。ステージ3、4の段階は徐波睡眠(slow wave sleep, SWS)とよばれれています。
先ほどの説明のように、睡眠サイクルは90~120分間でくりかえれ、後半に進むに次第にノンレム睡眠の持続は短くなり、睡眠徐波の出現は減少していきます。入眠前の覚醒時間の長さ、覚醒中の身体運動量、精神負荷量が増すとノンレム睡眠も深くなると言われています。
入眠直後の徐波睡眠と一致して、成長ホルモンの分泌がみられることやノンレム睡眠中は副交感神経優位であることがわかっています。
睡眠のサイクルや深さは年齢で変化しており、加齢とともに徐波睡眠は減少していく傾向があります。ノンレム睡眠が関係する睡眠障害として、子供によくみられる睡眠時遊行症、夜驚などがあります。
(参考:「ノンレム睡眠」weblio辞書より)
ノンレム睡眠・レム睡眠の役割
レム睡眠は、記憶の整理をしています。
レム睡眠で整理される記憶は学んだことの情報がメインとなっています。どういうことかというと、記憶には、行為と感情に分けるとすると、「転んだ」という事実と「恥ずかしかった」という感情が一緒に記憶されますが、レム睡眠は、これを切り離す役割があります。レム睡眠は感情部分を排除するということです。
「嫌なことがあったら、寝て忘れよう」って聞いた事があると思いますが、あながち間違いではなく、レム睡眠の役割ということになります。
ノンレム睡眠は、運動パフォーマンスにとって重要な役割を持っています。
レム睡眠で整理される記憶は、「言葉にできる記憶」と言われているエピソード(陳述)記憶です。逆に非陳述記憶、つまり「身体が覚える記憶」の整理は、ノンレム睡眠の時に起こっているのです。
トレーニング成果や運動パフォーマンスを上げるためには、ノンレム睡眠が必要ということになります。
睡眠は、2つの睡眠があると説明しましたが、まだまだ研究が続けられている分野でもあります。そして、レム睡眠・ノンレム睡眠のどちらも睡眠サイクルに組み込まれており、人の心身のパフォーマンスを上げるには睡眠が必要であるということです。
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