睡眠とアミン酸(グリシン)
グリシンってご存知ですか?
グリシン とは、アミノ酸の一種で最も単純な形を持つアミノ酢酸のことをいいます。別名はグリココル(glycocoll)と呼ばれており、発見者である化学者アンリ・ブラコノーが発見時に甘かったことから「glykys」から由来となっています。
含まれる食べ物として、ホタテ、エビ、カニ、肉類(牛肉・豚肉・鶏肉など)など、動物性タンパク質となってゼラチン・エラスチンなどに含まれています。
体内で合成することが出来るアミノ酸で非必須アミノ酸です。通常1日あたりのたんぱく質から3〜5g摂取できます。また、神経系ではGABAに次いで重要な抑制性神経伝達物質で、主に脳幹と脊髄の抑制性シナプス伝達をしており、神経細胞の抑制させます。血液中では酸素を運ぶポルフィリンや筋肉の収縮に必要なクレアチン、抗酸化物質のグルタチオンや核酸のプリン体を作る材料になります。なので、体内で様々な活躍をしているアミノ酸になります。
睡眠のメカニズム
「睡眠」は、健康維持・増進をしていく上で、栄養・運動と同様に必要不可欠なものとなっています。現在社会では、この睡眠は軽視されてしまう傾向にあります。原因色々ありますが、心身のストレスが増えて眠れない状態になってしまっていることが現実で、多くの人々が不眠症に悩んでいるのです。
不眠にあると、睡眠時問が足りないと言うことではなく、寝不足感が強いとか、寝足りない、すっきりしない、疲労感が強い、夜中に目が覚めてしまうなど、様々な症状の結果、不眠による心身の苦痛を感じることになります。これを解消するには、睡眠の「量・質」を確保しなくてはなりません。
(不眠症とは)
睡眠の質を考えるときに必要になるのは、睡眠の深さになります。私たちの睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠の2つのから成立しています。
レム睡眠は、浅い睡眠で睡眠中に眼球がすばやく動いており、脳はかなり活動しています。筋肉の緊張感がなく、緩んでいます。脳波活動しており夢を見ることが多いです。主に体を休めている睡眠になります。
ノンレム睡眠は、眼球の運動は睡眠で、4段階の浅い睡眠から深い睡眠まであります。発達するにしたがってレム睡眠からノンレム睡眠の時間が増えていき、脳を使うことが多くなることで、脳の疲労回復が必要となり、一番深い眠りの時には、成長ホルモンが分して心身の回復を図っています。主に、脳を休める睡眠になります。
この2つの睡眠パターンで1時間半程度を1クールとして、一回の睡眠で4−5回ほど繰り返して徐々に浅い睡眠となって起きます。
(睡眠の生理②)
睡眠に役立つ『グリシン』
心身の疲労を回復させる「質の良い睡眠」を作る要因の一つとして、体温が関係しています。 睡眠中は、脳やカラダを休息させるために代謝量を減らしています。質の良い睡眠の条件として、手足の体温が上昇して体内の熱を外に逃がして、体内の中心部の温度(深部体温)をゆっくりと低下させることがあります。
グリシンを寝る前にとることで、手足の表面体温を上昇させることになり、体外へ熱を出すことができ、深部体温を下げる効果があります。グリシンが質の高い睡眠を作ることができる要因になります。
眠りにつくまでの時間が短くなることから、しっかりとした睡眠を確保することができ、朝の目覚めが良くなり、日中の眠気はなく、作業効率が上がることになります。そして、睡眠環境の改善と『グリシン』が組み合わさることで、「集中力」「意欲」が向上し、「ストレス軽減」が図れることがわかっています。
まとめ
今回は、「睡眠とグリシン」について調べました。グリシンには身体に様々な作用がありますが、睡眠では、深部体温のなるべく早く高め、放熱を促して、眠りをつきやすくする効果があることが分かりました。グリシンは、ホタテ、エビ、カニ、肉類(牛肉・豚肉・鶏肉など)に含まれています。現在ではサプリメントなどもあるようです。
但し、これを摂取することだけでは眠りを劇的に変えることはできず、やはり睡眠習慣から変えていく必要があるのです。眠りを変えるのであれば、栄養を取りつつ、しっかりと睡眠の習慣から見直していくことをお勧めいたします。
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参考資料・文献
グリシン(2012年2月 食品安全委員会肥料・飼料等専門調査会)
グリシン『ウィキペディアより』
Glycine ingestion improves subjective sleep quality in human volunteers, correlating with polysomnographic changesより
「睡眠改善食品 機能性表示食品成分グリシンを中心として」ファルマシア52巻VOL.6より